忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

=============================================
ドーーーン。
ドドドーン。
ヒュルルルル、ドーーーン。

「綺麗…。」
「これは、なかなか。」
 そう大規模な花火じゃないと聞いていたのにはじまって見れば鎮守の森の横の川原の花火大会は結構立派なものだ。
「なんだか贅沢ですわね。こんな特等席が貸し切りなんて…。」
「そうですね。」
 御座と蚊取り線香まで用意して下さった友人のご家族に改めて感謝だ。でなければ僕も彼女も藪蚊に刺される酷い目にあうところだった。
「蚊遣り豚なんて珍しいですわね。」
「かわいいですけど最近は蚊取り線香自体あまり使いませんからね。」
「私はこの香り好きですけど、住宅事情とかもありますかしら?」
「置く場所によっては煙で警報器が鳴ることもあるそうですし。」
「それは大変。」
 花火を見ながら他愛ない話をして、ふと見ると縁側の脇に白いものが見える。
「…花。」
「え?きゃ…」
「あぶない…。」
「あ!」
 彼女の向こう側に見つけた白い花を示したため振り向いてバランスを崩した体がクラリと傾いだ。 慌てて腕を差し伸ばし腕を掴みよろけた体を支える。
「あ、ありがとうございます。」
「いえ…。」
「あの…。」
「…………。」
 バランスを崩した時に乱れたのだろう彼女の濃紺の浴衣の裾から白い脹脛が覗いている。 支えた腕の細さきっと着物に焚き染めてあるのだろう香の香り。 花火の火に照らされる紅い唇。
「ん…っ。」
 思わず口づけた唇は甘く柔らかく一気に身体中が熱くなる。
「…‥やすは‥らさ…ん?」
「……原さん。」
 訳がわからず困惑顔の彼女に嫌悪の表情はなくただ驚いているようで、揺れる黒い瞳が僕をじっと見上げる。
 紅い唇が薄く開き何かを言おうとする前に僕は再び彼女に口づけその唇に舌を這わせた。
「…んっ!ゃ…っやめ…。」
 身をよじり逃れようとする彼女の後ろ頭を押さえさらに強く唇を合わせ舌を差し入れる。
「あ…んぐ‥っ‥」

ダーーンッ!
ヒューーン、バァン。

「んっ…っ…。」
 花火の一時の明かりに浮かぶ彼女の表情の中に今まで無かった色を見つけ自分の感情を止めることができなくなってしまう。
「原…さん…。」
 閉じようとする口内に差し込んだ舌を押し出すように動く彼女の舌を絡めるようにさらに激しく口づける。 荒い息とは対照的に僕の体を押しはなそうとしていた力が抜け反対に浴衣の生地を握りしめる。


=============================================



PR
「ナル×麻衣」サンプル文章 | INDEX | 「滝川×綾子」サンプル文章
Copyright © GH着衣エロアンソロジー「A certain Love limitation」 All rights reserved. 忍者ブログ [PR]
Designed by